お客様数
1400社
当社の技術について
リガク磁性流体シールの歴史
リガクの磁性流体シールは1978年に自社のX線回折装置のX線発生部用軸シールとして設計・開発されたのが始まりです。このユニットでは、高速回転、高真空保持、水冷機構など過酷な条件で使用されています。
リガクでは独自の磁気回路構成を開発することによって、過酷な使用条件に耐えられる磁性流体シールを完成させました。
90年代に入ると、CVD装置に代表される半導体装置にて磁性流体シールの需要が高まり、シールユニットの外部販売が事業のメインとなりました。
2001年からは事業を磁性流体シールに一本化しております。当社はリガクグループの磁性流体シール製造、販売会社として、半導体装置にとどまらず、FPD装置、分析機器装置等幅広い分野のお客様とお付き合いをさせて頂いております。
リガクの実績
年間販売台数
3500台
カスタム品の割合
60%
製造環境
当社は東京都昭島市の(株)リガク敷地内に製造設備を構え、製品は国内生産を主としています。
組み立て前の徹底した部品洗浄、組み立て工程はクリーンルーム内で行っており、精密電気電子業界の装置環境にも適した製品を提供しております。
リガク磁性流体シールの独自磁気回路
リガクの磁性流体シールは複数のマグネットの同極を先端が二つに分かれたポールピースを挟んで向かい併せに配置することで、互いに独立した複数の磁気回路を形成しています。隣接する磁場の反発効果によりポールピース先端で磁束が集中し、そこに磁性流体が強力に保持されるため、シール1段あたりに耐圧が大きくなっています。そのため、磁性流体シールをより小型にすることが可能です。
また、耐圧の大きい磁気回路構造のため、ポールピースと回転軸の隙間を大きくすることができ、高速回転や大口径シールの設計も可能となっています。
リガクの磁性流体
リガクの磁性流体シールユニットに使用されている磁性流体は、大別すると一般真空用と活性ガス対応の2種類に分けられます。
一般真空用磁性流体は、主に中真空/不活性ガス向けで、高速回転にも適しています。
活性ガス対応磁性流体は、CVDやエッチングに使用される反応性の高いガスに耐性があります。耐熱温度の違いにより2つのグレードに分かれています。高温・活性ガス対応は、耐熱性が高く、高温でもベースオイルが蒸発しにくいクリーンな磁性流体です。
お客様の使用条件に合わせて最適な磁性流体を提案致します。
『蒸気圧 – 温度特性』グラフは、磁性流体の蒸気圧と温度との関係を表したもので「蒸気圧曲線」と呼びます。
蒸気圧が低い方が高温や高真空でもより蒸発しにくいことを表し、コンタミネーションの原因となるアウトガスの発生量も減少します。
高温・活性ガス対応磁性流体 | |
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アウトガス量 | 180℃ 10分 1wtppm以下 |
蒸気圧 [Pa] at 20℃ | 6.1x10-14 |
蒸気圧曲線 使用上の注意
蒸気圧曲線は磁性流体シールの動作や寿命を保証するものではありません。
磁性流体の飽和蒸気圧よりも2桁程度高い圧力でのご使用を推奨します。
使用例:磁性流体シール取り付け部分の温度が100℃の場合
- 活性ガス対応磁性流体では10-3Paより高い圧力でのご使用をお勧めします。
- 高温・活性ガス対応磁性流体では10-7Paより高い圧力でのご使用をお勧めします。